当別町では、ゼロカーボン推進計画を策定中で、2023年2月10日~3月10日まで「当別町ゼロカーボン推進計画(案)」に対するパブリックコメントを実施中です。
そこで、この計画(案)をぼちぼち読んでいこうと思います。
みなさんもお時間あるときに目を通して、ぜひパブリックコメントにご意見をお寄せいただければ幸いです!
ゼロカーボン推進計画(案)の概要
計画案の構成
計画案は以下のとおり9章からできています。
計画策定の背景
計画の位置づけ
当別町の基本情報(現在の二酸化炭素排出量はここ)
当別町の再生可能エネルギー導入ポテンシャル
二酸化炭素排出量削減に向けたこれまでの取組
二酸化炭素排出量の将来推計
削減目標の策定およびロードマップ
二酸化炭素排出量削減のための施策
計画の推進に向けて
全てを読むのも大変なので、まずは重要そうなところから順番に読んでみましょう。ということで、3つ選んでみました。現在の排出量、再生可能エネルギー導入ポテンシャル、排出量削減のための施策です。
当別町の二酸化炭素排出量とエネルギー消費量の現状(第3章)
当別町の二酸化炭素排出量を、産業部門・家庭部門・業務その他部門・運輸部門と廃棄物部門の5部門に分けて、2013年から2019年の推移と2030年、2050年のBAUシナリオによる推計値が計画案14ページから記載されています。BAUシナリオとは、business as usual(対策を行わず、従来通りの状況で推移する)という推計です。
当別町の排出量は2017年をピークに減少に転じていて、2019年度は201,922トンです。基準年の2013年とくらべると、産業部門が食品工場等(これってチョコレートなどでしょうか?)の発展で増加している一方で、人口減少の影響により家庭・業務その他・運輸部門では減少しています。
2030年、2050年の推計は、国の発表したGDP・業務床面積・貨物需要・人口変化の見通しなどを基に、2013年度比で10.3%増(2030年)、13.6%増(2050年)という推計です。
なお、エネルギー源は大半が石油製品が占めています。
森林の二酸化炭素吸収量
2015年度~2019年度の町有林の平均吸収量では31,832トンを吸収量としてもちいています。なお、町内の国有林・道有林を加えると年平均115,647トンとなるそうです。
当別町の再生可能エネルギー導入ポテンシャル(第4章)
当別町の再生可能エネルギー導入ポテンシャルとしては電力で436.3万MWh/年、熱量で41.8万MHh/年あるそうです。「しかし、実際には再エネ設備設置のために森林の伐採が必要であったり、設置場所が町民の生活区域からの距離が近くて騒音などの問題が懸念されるなど、簡単に導入することは難しくなっています。」と計画案に記載がある通り、このエネルギーをすべて利用できるわけではありません。
導入ポテンシャルをどう評価しているのか。
それでは、計画案に沿って
太陽光(建物)
太陽光(土地)
陸上風力
中小水力
地熱
木質バイオマス
地中熱
太陽
その他バイオマス
の9つについて、利用可能性をどう評価しているかを見てみましょう。「読み取れる評価」は、計画案を読んだ感じた私の評価です。当別町の見解ではありませんのでご注意ください。
この表のとおり、中小水力(具体的には当別ダムでの小水力発電)、木質バイオマス(とうべつ学園などで実用化)、地中熱(道の駅、ロイズタウン駅などで実用化)が高く評価されています。一方で、森林への太陽光発電の設置や、陸上風力、地熱は低い評価です。特に陸上風力については、健康被害、景観、森林伐採などから推奨されないと明記されていますので、当別町内での陸上風力発電を推進する予定がないことが読み取れます。
二酸化炭素排出量削減のための施策(第8章)
当別町ゼロカーボンシティを実現するための重点施策としては、以下の13項目が挙げられています。先ほどの導入ポテンシャルの評価が反映されていて、陸上風力や山林への太陽光発電の設置は記載されていません。
当別町のゼロカーボン推進計画(案)の概要をざっくりとまとめてみました。だいぶ端折っていますので、ぜひ、計画案をご覧になって、気になる部分についてはパブリックコメントにお寄せいただきますようお願いいたします!
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