西当別の
風力発電所計画
当別町の上当別から弁華別にかけての一帯で風力発電所計画が進んでいます。このページではこの「(仮称}石狩郡当別町西当別風力発電事業」に関する情報をまとめています。
方法書に対する経産大臣勧告(2022年4月20日)
(仮称)石狩郡当別町西当別風力発電事業環境影響評価方法書に対する経済産業大臣の勧告が2022年4月20日に行われました。勧告の全文は経済産業省のWEBサイトで確認することができます。
経済産業大臣の勧告は、環境アセスメント方法書段階の最後の手順です(下の図の赤三角)。このあと本格的な調査が行われて、準備書が作成されます。
「発電所に係る環境影響評価の手続フロー図」(経済産業省WEBサイトより/https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/procedure-1.pdf
方法書に対する北海道知事意見(2022年3月23日)
(仮称)石狩郡当別町西当別風力発電事業環境影響評価方法書に係る北海道知事の意見が2022年3月23日に経済産業大臣に提出されました。知事意見の全文は北海道のWEBサイトで確認することができます。
総括的事項(全体のまとめ)
講演会「北海道・当別町 巨大風力発電計画とどう闘うか!」が開催されました。
2022年3月20日(日)に田西会館(当別町)で風力発電を考える当別町民の会主催の講演会が開かれました。講師は、環境問題などに積極的に取り組まれている弁護士の市川守弘さんです。会場には多くの町民の方々のほか、4名の町議会議員と佐々木大介道議会議員も来場しました。
講演の様子はYouTubeライブでも配信されました。アーカイブは↑でご覧いただけます。
「次の段階に進むことは許容できない」
方法書に対する当別町の意見
西当別風力事業の方法書に対する当別町の意見が2022年2月2日に北海道知事に提出されました。意見書の全文は北海道のWEBサイトで確認することができます。
以下に概要をご紹介します。
総括的事項(全体のまとめ)
地域住民を対象とした3回の説明会が行われたが、地域住民の反応を総括すれば、「質問に対する 回答が説明会の度に内容が変わり明確な回答が得られない」、「不誠実」、「信頼できない」といったものである。
また、当別町議会に対し、当該風力発電事業の反対・中止・白紙撤回に関する全5件の請願、陳情が提出され、議会は、「当該風力発電事業は、景観上の問題、低周波音・超低周波音によ る健康被害、自然環境への影響などが懸念されるほか、事業主体に対する不信感から住民の多くがこの事業に反対を訴えており、これら懸念される事項が払拭できず、地域の合意が得られるとは思えない状況下においては、この事業を進めるべきではない」と全会一致でこれらを採択している。さらには、3,000 筆を超える反対署名も集まっている状況である。
これらのことから、本事業に対する地域住民の合意形成は、極めて不十分である。よって、環境アセスメントの各段階における地域 住民との合意形成を確実に図ることができたと判断することが出来ず、本事業が、次の段階に進むことは許容出来ない。
個別的事項(各論)
当別町議会 風力発電反対の請願・陳情採択へ
11月17日(水)に当別町議会の産業厚生常任委員会が開かれました。議会に提出されている西当別風力発電事業の建設に反対する3件の請願・陳情についての審議が行わて、全委員の賛成で採択されることになりました。
このあと、11月25日(木)に開かれる予定の臨時議会で産業厚生常任委員会委員長から「採択すべき」との報告が行われます。この委員会報告が承認されると、議会として正式に請願・陳情を採択したこととなります。
10月24日の方法書説明会を「方法書段階における説明会開催に関する留意事項」と比較してみた20211103
少々古い資料ですが、平成25年月に環境省が「方法書段階における説明会開催に関する留意事項」をまとめています。ここには、方法書段階での説明会(10月24日に開かれた説明会にあたります)を行うにあたって気をつけることが記載されてます。
この留意事項と、10月24日の説明会の様子を見比べてみました。
説明内容
「留意事項」には方法書説明会で説明すると良い項目が下の表の通り挙げられています。
10月24日の説明会で説明された項目は、資料によれば以下のとおりです。なお、説明会資料には資料の転載を禁止する旨が書かれていますので、書き写します。
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対象事業の概要
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事業体制について
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事業の内容
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環境影響評価について
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環境影響評価の手続のながれ
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事業区域の検討
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環境影響評価の項目
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調査・予測の手法
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今後のスケジュール
概ね留意事項に沿っていますが、「配慮書に対する意見の概要及びそれに対する事業者の見解」が抜け落ちています。この点については会場から質問があり、北海道知事の意見を口頭で読み上げていました。なお、留意事項には以下の通り記載がありますので、本来は事業者側が自主的に説明することが望ましい項目です。
配慮書段階の手続が実施されている事業については、配慮書段階における検討を踏まえ、方法書説明会において、最終的な事業地域等の決定に至った検討の経緯や配慮書段階で得られた意見等への対応について明確かつわかりやすい表現で説明することが望まれます。
資料の提供方法
説明会の資料について、留意事項には以下の記載があります。
環境影響評価手続では、対象事業が実施される地域に関わらず、広く一般の方々の意見を聴くこととなっています。インターネットの利用による公表が義務付けられている方法書や要約書に加え、方法書説明会での配布資料を事業者のウェブサイトにおいて公開するなど、説明会に参加できなかった方々に対しても情報が伝わるように工夫することも重要です。
一方10月24日の説明会で配布した資料には、「本資料の無断複製・配布等はご遠慮ください」との記載があります。複製・配布を禁ずるということは、説明会に参加しなかった方に情報提供をする意思がないということです。この点は、留意事項の指摘に正反対の立場です。事業者の姿勢がよく現れています。
方法書に対する意見の例 20211102
11月10日(消印有効)が締め切りの方法書にたいする意見。「環境保全の見地からのご意見」を提出することができます。では、「環境保全の見地からのご意見」とはどんな意見でしょうか。
環境影響評価情報支援ネットワークのWEBサイトにいくつか例が挙げられていましたのでご紹介します。
この表を参考に、意見書たくさん出しましょう!!
スウェーデンヒルズ町内会が陳情提出 20211030
10月26日にスウェーデンヒルズ町内会が当別町議会に風力発電事業についての陳情書を提出しました。陳情の詳細はまだ手元に届いていませんが、12月の定例議会で産業厚生常任委員会に付託され、他の3件の請願・陳情とあわせて審議されるものと思われます。陳情書の詳細が分かり次第お知らせいたします。
意見書提出期限延長【11月10日】 20211030
方法書に対する住民意見の提出期限が11月10日(消印有効)に延長されました。郵送で提出することができます。
意見書を提出しないと「意見なし」として記録されてしまいます。方法書を読み込んで意見をまとめるのは大変ですが、1件でも多くの意見を出すことが重要です。
意見書の提出先
300-4245
茨城県つくば市水守2126 農業生産法人水杜の郷株式会社
11月7日まで意見を提出できます。 20211024
方法書に対する住民意見を11月7日(消印有効)まで郵送で提出することができます。
※意見書を提出することで「方法書について町民意見を聴取した」ことが既成事実とされて、手続きがすすんでしまうことを懸念する意見が、10月24日の説明会で出されていました。一方で、意見を出さなくても「意見を求めたが意見はなかった」として手続きは進んでいくのではないかと、考えられます。私は、意見を出すほうが良いと考えていますが、皆さんお考えもお聞かせいただければ幸いです。
意見書の提出先
300-4245
茨城県つくば市水守2126 農業生産法人水杜の郷株式会社
説明会が開催されました。 20211024
10月24日に西当別コミュニティセンターで説明会が行われました。なお事業者の意向で報道機関には公開されませんでした。数多くの質問が出され、予定の時間を大きく超えて20:45頃に終了しました。(以下はメモをもとに記載していますので、表現やニュアンスに違いがあるかもしれません)
住民からは、より丁寧な質問や継続した協議の場を設けることなどの要求が数多く出されました。事業者側からは、具体的な事業計画は次の準備書の段階で説明するとの説明が繰り返しあったほか、半年程度ごとに進捗を報告することを検討するなどの回答がありました。
また、配慮書や方法書がインターネットでダウンロードや印刷できない設定になっていることについても改善を求める声が多く上がりました。この点は、北海道知事からの意見でも指摘されています。事業者からは、著作権の問題からダウンロードや印刷はできない、印刷した方法書を町内会長に配布したり、コミュニティセンターに設置したりすることを考えるとの回答がありました。
その後、町内会代表と事業者による協議が1時間ほど行われ、今後も協議の場を持つことに事業者側が同意しました。一方で意見書の提出期限(11月7日)については、事業者側は予定どおりにしたいとの意向でした。
主な質疑応答はこちらをご覧ください。
関連リンク
最近の動き 20211017
西当別風力発電事業(合同会社石狩郡当別町西当別陸上発電所)の住民説明会が、10月24日に開かれます。10月17日の北海道新聞朝刊に折込広告が入りました。
合同会社石狩郡当別町西当別陸上発電所のWEBサイトでは10月24日まで環境アセスメントの方法書を見ることができます。また、4月9日と4月11日に開催された住民説明会の議事録も掲載されています。どちらもPDFですがダウンロードできないようになっています。特に環境アセスメントの方法書は10月24日までですので、お早めにご覧ください。
当別町議会の動き 202108
2021年8月31日に産業厚生常任委員会が開かれ、請願に関する議論が行われました。委員会が議員控室で開催されたためYou Tube中継(録画)がありませんので、傍聴した時のメモを元に議論の概要をお知らせいたします。
もともとは、8月28日に予定されていた事業者の説明会を聞いた上で、各議員が意見を述べるという予定でした。しかし、新型コロナウィルス感染症の緊急事態宣言の影響を受けて説明会が延期されたため、事業者の説明を聞かない状態での議論となりました。このため、多くの議員から事業者の説明を聞く必要があるとの指摘が出されました。
以下に各議員の意見の要点を掲載します。なお傍聴しながらのメモを元にまとめていますので、表現やニュアンスに違いがあることもあり得ます。予めご了承ください。また、秋葉議員は委員長のため、ご自分の意見は表明されていません。議長は委員会には所属していませんが、すべての会議に出席して意見を述べることができます。櫻井議員は産休のため欠席されています。
島田議員
事業者の説明を聞く必要があるので、引き続き継続審査としたい。
岡野副議長
事業者の考えもわからない状態なので、身長に審議する必要がある。
佐々木議員
事業者の説明会がなくなったので、まだ検討が必要。
渋谷副委員長
事業者の説明を聞く必要がある。他の制限とあわせて判断した。
山田議員
請願の趣旨には賛同できるが、事業者の説明も聞きたい。新たに2件の請願陳情が出されたのであわせて判断したい。
高谷議長
当別町が過去に行った風力発電の調査など、様々な情報を部局から聞き取る必要がある。風力発電を歓迎している町民は少ないと感じている。
最近の動き 201106
2021年6月11日からはじまった当別町議会に西当別風力発電所の建設に反対する請願が提出されました。産業厚生常任委員会に付託されて審査が行われます。
この種の陳情の審査は少なくとも数ヶ月かかることが通例です。遅くとも現在の議員の任期満了となる2023年春までには結論が出るものと思われます。
最初の審査は、2021年6月15日(火)13時からの産業厚生常任委員会で行われます。議会中継はYou Tubeで見ることが出来ます。
当別町議会に提出された請願
当別町議会に提出された請願をご紹介します。この請願は、町内5団体の連名で鈴木岩さんが紹介議員となっています。
上のYou Tubeが6月15日の産業厚生常任委員会の録画です。1:50:30頃から西当別風力発電所についての請願審査が始まります。
当別町の考え(2021年6月16日)
6月16日の一般質問で鈴木議員が風力発電所について採り上げ、宮司町長から町の考えが説明されました。You Tubeでは1:33:30頃からです。
「住民の声を重く受け止めるべき」
騒音、動植物への影響、景観など生活や環境へ与える影響が大きいことから、「住民の声を重く受け止めるべき」との考えが示されました。
町としては、住民生活や環境への配慮が十分でなかったり、住民への説明がしっかりと行われていなかったりして、住民から反対の声が上がった場合は、事業に反対する意向だと考えられます。
6月15日の産業厚生常任委員会でこの請願の最初の審査が行われました。今回では結論はでず継続審査となりました。請願に対する意見を各議員が述べていますので、議会中継(YouTube)もぜひご覧ください。複数の議員から、当別町や風力発電事業者、請願提出者など関係者から意見を聞く必要があるとの指摘が出されています。
左のYou Tubeが6月15日の産業厚生常任委員会の録画です。1:50:30頃から西当別風力発電所についての請願審査が始まります。
風力発電所の音のイメージ
風力発電所の音がどれくらいなのか、参考として石狩湾新港の風力発電所を撮影してみました。
高さ(ハブ高さ)が約60mの風車なので、西当別風力発電所で予定されている高さ100mより一回り小さな風車です。スマホで撮影したので、風切り音もはいっていて分かりづらい点はご容赦ください。
100mでは低音が結構聞こえていました。300mほど離れると風が強かったせいもあり、短時間ではあまり音は気になりませんでした。
風力発電所の計画位置
風力発電所ができるまで
風力発電所ができるまでは、周辺環境に与える影響を調査する環境影響評価(環境アセスメント)をへて、国(経済産業省)の事業認可を得て工事を始めるという流れです。これらに要する期間は、環境影響評価(環境アセスメント)には3-4年、国の許認可取得に1年、工事に2年程度というのが一般的なようです。
西当別風力発電所の説明会資料によれば、2024年前半までに環境影響評価と事業認可の手続きが完了し、2024年8月頃から準備工事(輸送路拡幅工事・仮設道路・管理用道路工事等)、2024年12月頃から造成・基礎工事(ヤード造成工事・風力発電機基礎工事等)と電気工事(送電線工事・変電所工事等)、2025年10月頃から据付工事(風力発電機の輸送・風力発電機据付工事等)を行い、2026年10月頃から試運転を行うというスケジュールが予定されています。
以下には、環境省・経済産業省等が公表している一般的な手続きの流れをご紹介します。
※「環境アセスメント迅速化手法のガイド-前倒環境調査の方法論を中心に-風力発電所 総論」(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)から引用。
環境影響評価(環境アセスメント)の流れ
※環境影響評価情報支援ネットワーク(環境省大臣官房環境影響評価課)から引用。
風力発電事業認可の流れ
※「発電設備を設置するまでの流れ」(経済産業省資源エネルギー庁)から引用。