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  • 執筆者の写真佐藤たつ

利用はできても活用はまだ道半ば~教員のICT教育スキル

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8月30日に公表された「平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)(平成31年3月現在) [速報値]」(文部科学省)のついての2回目です。前回はICT設備の整備状況についてご紹介しました。今回は教員のスキルについての部分からご紹介します。

授業にICTを活用するスキル、児童生徒のICT活用を指導する力がまだこれから

教員のICT活用指導力を4つの大項目にわけて調査したようです。

  • A 教材研究・指導の準備・評価・校務などにICTを活用する能力

  • B 授業にICTを活用して指導する能力

  • C 児童生徒のICT活用を指導する能力

  • D 情報活用の基盤となる知識や態度について指導する能力

各設問は「できる」「ややできる」「あまりできない」「ほとんどできない」の4択です。この4択に対して「できる」「ややできる」と回答した教員の割合を示したものが下のグラフです。

全般的にBとCが低いようです。では、この2つについて細かくみてみましょう。


B 授業にICTを活用して指導する能力~活用にはまだ道半ば

Bの設問は次の4つです。

  1. B-1 児童生徒の興味・関心を高めたり,課題を明確につかませたり,学習内を的確にまとめさせたりするために,コンピュータや提示装置などを活用して資料などを効果的に提示する。

  2. B-2 児童生徒に互いの意見・考え方・作品などを共有させたり,比較検討させたりするために,コンピュータや提示装置などを活用して児童生徒の意見などを効果的に提示する。

  3. B-3 知識の定着や技能の習熟をねらいとして,学習用ソフトウェアなどを活用して,繰り返し学習する課題や児童生徒一人一人の理解・習熟の程度に応じた課題などに取り組ませる

  4. B-4 グループで話し合って考えをまとめたり,協働してレポート・資料・作品などを制作したりするなどの学習の際に,コンピュータやソフトウェアなどを効果的に活用させる

このなかでB1は80%以上の教員が「できる」「ややできる」と回答しています。プロジェクターで授業資料を投影するなどの使い方ですね。一方で、B2で問われているのは「児童生徒の意見などを効果的に提示する」。一気の70%を割り込みます。ここでハードルがあがるのですね。ただ、ここまではICTの「活用」ではなく「利用」くらいですよね。


そして、さらに数字が落ちるのがB3、B4です。習熟度別の問題を解かせたり、子どもたちがプロジェクターを使ってプレゼンテーションをするなどです。これぞ「活用」の段階だと思いますが、なかなか難しいようで。



C 児童生徒のICT活用を指導する能力~やはり「活用」は難しい
  1. C-1学習活動に必要な,コンピュータなどの基本的な操作技能(文字入力やファイル操作など)を児童生徒が身に付けることができるように指導する。

  2. C-2児童生徒がコンピュータやインターネットなどを活用して,情報を収集したり,目的に応じた情報や信頼できる情報を選択したりできるように指導する。

  3. C-3児童生徒がワープロソフト・表計算ソフト・プレゼンテーションソフトなどを活用して,調べたことや自分の考えを整理したり,文章・表・グラフ・図などに分かりやすくまとめたりすることができるように指導する。

  4. C-4児童生徒が互いの考えを交換し共有して話合いなどができるように,コンピュータやソフトウェアなどを活用することを指導する。

C1とC2は80%近い教員が「できる」「ややできる」と回答していますが、C3は66%、C4は59%と低下します。やはり「使い方」は指導できるが「活用方法」を指導するのが難しいと感じているようです。


プログラミング教育も必修化

2020年度からは小学校でプログラミング教育が必修となります。プログラミング教育自体の目的は下の通りで、ICT活用とは若干筋が違います。が、PCを使いこなす教育現場になってほしいですね。


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