2021年9月のまとめられた「当別町庁舎建設基本構想(素案)」が2021年12月当別町議会定例会で報告されました。この「当別町庁舎建設基本構想(素案)」の概要をご紹介します。なお、素案のPDFを版は下記リンクからご覧いただけます。
新庁舎整備の必要
当別町役場は1970年に建設され、1981年には現上下水道課事務所部分を書庫から仕様変更、2009年には外壁改修等の改修・補修工事を重ねながら50年以上利用してきました。近年は床のクラック、各種管の漏れ、雨漏り、隙間風の流入、床の傾斜等通常業務においても支障がでるほど老朽化が著しい状態です。
また、耐震基準も満たしておらず、災害発生時には対策本部の設置も危ぶまれる状況です。さらに、バリアフリーにも非対応であり、あらゆる人に行政サービスを提供する施設としても機能を果たしていないといえます。
新庁舎整備の基本方針
新庁舎整備の基本方針として、次の5点が挙げられています。
いくら掛かるの?
事業費試算(建設候補地毎)
基本構想(素案)で試算されている事業費は52.4億円~66.7億円です。新庁舎建設に約50億円、現庁舎の解体に約1.8億円、駐車場などの外構工事に6,500万円などと試算されています。JA北いしかり本所用地に建設する場合は、JA北いしかり本所との複合施設となるため、建設費が61.8億円と試算されています。
単位は「億円」です。JA北いしかり用地を使用する場合は、JA本所との複合施設となることから、事業費が一番高くなっています。
面積の試算
面積は下の表の通り役場庁舎5,140平米に図書館780平米、金融機関40平米、文化センター400平米を加えた6,360平米と試算されています。
工事費の試算
事業費の大半を占める庁舎建設工事の工事費は78.2万円/平米で試算されています。これは、最近の北海道内の庁舎建設工事での工事費のなかで最も高い金額を採用しています。
建設方法
役場庁舎を建てる方法として「従来方式」「PFI(BTO方式)」「PPP(リース方式)」の3つの手法が検討されています。それぞれの概要とメリット・デメリットは以下のとおりです。
| 従来方式 | PFI(BTO方式) | PPP(リース方式) |
概要 | 町が発注して、建設する | PFI法に基づき、民間事業者が公共施設の設計、施工、維持管理を行う。 | 発注書に基づいて民間事業者が建築した建物をリース契約する |
メリット |
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デメリット |
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事業費の支払 | 起債(町の借金)して、建設時に一括払い。 | 利用期間に応じた分割払い | 利用期間に応じた分割払い |
素案では、このうちPPP(リース方式)を最も高く評価しています。
リース方式
PPP(リース方式)は、簡単に言えば、民間事業者が建てた建物を町がリース(賃貸)して役場庁舎に利用するというものです。建物は「性能発注」と呼ばれる方法で建設されます。役場庁舎として必要な機能を仕様書にまとめ、その仕様書に基づいて民間事業者が設計を行い建設するというものです。
賃貸する期間は15~20年が一般的なようです。賃貸期間終了後、建物は民間事業者から町に無償譲渡されます。
リース方式にするメリット
リース方式のメリットの1つが建設費を安くできるというものです。同じ機能を持つ建物を建てる場合でも、行政が建てる場合と比べて民間事業者が建てる場合は約15%安くできると言われています。
この費用削減効果はPFI方式でも得られますが、PFI方式は事業を行うための手順が多く時間がかかりますが、リース方式は短期間で実施することができます。
リース方式の場合毎年の負担額は?
この試算を基に30年間リースをすると、毎年の支払額は約2.3億円となります。当別町の一般会計は約100億円(新型コロナウィルス感染症対策を除く)ですので、約2.3%です。
リース方式の事例
リース方式で庁舎を建設している事例をいくつかご紹介します。全国的には事例はそれほど多くはなく、大和リース株式会社が手掛けている事例が多いようです。
どこに建てるの?
基本構想(素案)では、現庁舎、当別小学校、白樺公園、JA北いしかりの4箇所が候補地として挙げられています。このうち、評価が高いのは現庁舎と白樺公園です。
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