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【解説】どうなる新庁舎の複合化~新たな公共施設は優先度の検討が必要では?~

  • 執筆者の写真: 佐藤たつ
    佐藤たつ
  • 2月19日
  • 読了時間: 4分

令和6年12月から令和7年1月にかけて実施された「当別町新庁舎建設基本構想(案)」へのパブリックコメントには、55名から計130件の意見が寄せられました。意見の約4割にあたる49件が施設の複合化に関するもので、その大半が「新庁舎に文化ホールを作ってほしい」という内容でした。


一次情報は当別町のWEBサイトでご確認ください。


なぜ文化ホールが求められるのか?




複合化についての意見49件中、37件が文化ホール建設を求める賛成意見でした。現在の施設(白樺コミュニティセンターや総合体育館)の利用には多くの町民が不満を感じているようです。



「雨音で演奏が聞こえない」~音響問題



現在の会場は体育館などが使われており、「雨が降ると屋根の雨音が響き、合唱や演奏が聞こえなくなる」「せっかくの発表が台無しになる」という意見が多数ありました。


「椅子並べが限界」~高齢化する運営側の課題



イベントのたびに椅子並べやステージ設営を行う必要がありますが、運営を支えるボランティアや文化協会会員の高齢化が進んでいます。「体力的に限界」「準備や片付けが大変」という声が上がり、常設の座席があるホールが求められています。


文化・芸術振興と「若者」への願い



「良質な音楽を楽しめる場所が欲しい」「若い世代も参加しやすい環境を」といった、町の魅力向上や活性化を願う意見が多く見られました。


◆町の回答:「必要性は認めるが、コストが最大の壁」



町は、150〜300席程度の小規模ホールについて、「地域住民の文化活動の促進や町の魅力発信につながる」として必要性を認識しており、新庁舎との複合化で費用を抑える可能性も示唆しています。しかし、「事業費が大きな課題であることから、全体事業費を十分に踏まえ、慎重に検討を進める」と回答しており、建設の確約までは至っていません。


佐藤たつの視点



町内の既存施設に課題があるのは事実です。しかし町内にはそれ以外にも多くの課題があり、それぞれに必要性があります。限られた町民の財産である町の予算を有効に使うためには、それらの課題のなかでどう優先順位をつけるのかが重要です。


役場庁舎は、建物の老朽化・防災上の観点で最優先とされています。これは理解できます。しかし文化ホールは、「どうせ建てるなら複合化しよう」ということで選ばれているように感じます。「どうせ建てるなら」を離れて、まずは文化ホール自体の優先度を考えることが必要です。文化ホールの優先度については別稿で改めて整理します。




町民から寄せられた多様な意見


文化ホール以外にも、建設場所やコスト、機能について多くの意見が寄せられました。主要な論点を項目別に紹介します。


建設場所について:「本当にそこで大丈夫?」



用地取得への懸念


第1候補地(旧公民館および周辺用地)について、「周辺の民有地を取得するのはコストがかかる」「町有地(旧当別小学校跡地など)を活用すべきではないか」という意見が5件ありました。


水害リスクとアクセス


「川に近い場所で防災拠点として大丈夫か」「駅から遠くなると不便」といった指摘もありました。


町の回答


旧当別小学校跡地などは老朽化した既存施設の解体に多額の費用がかかることや、災害時の動線確保(橋梁など)のリスクを考慮し、現在の候補地が総合的にコストを抑えられると判断しています。


建設コスト・手法:「無駄遣いはしないで」


コスト縮減の要望


「著名な建築家に依頼して高くなるのは避けて」「身の丈に合った庁舎を」といった、昨今の資材高騰を背景にした厳しい意見が寄せられました。


地元経済への還元



「道産材・町産材を使ってほしい」「地元業者が参入できるようにしてほしい」という要望が10件以上寄せられました。


町の回答


メンテナンスや長寿命化を重視し、コストを抑える設計を目指します。また、地元企業が参入可能な発注形式や、PPP(リース方式)による費用の平準化を検討しています。


施設機能への要望:「もっと使いやすく」



議場(議会スペース)の多目的利用


「年間の利用日数が少ない議場を専用にするのはもったいない」「会議室や町民ホールとして兼用できるようにしてほしい」という意見がありました。


バリアフリーと利便性


「窓口は1階にしてほしい」「多目的トイレや授乳室、おむつ替えスペースを充実させて」という要望が多く寄せられました。


図書館の要望



文化ホールよりも図書館機能を充実させてほしい、あるいはホールと図書館の両方を検討してほしいという声もありました。


町の回答


議場の多目的利用については議会と協議します。窓口配置やバリアフリー設備については、設計段階で具体的に検討し、使いやすい庁舎を目指します。


その他:「医療大跡地はどうする?」


医療大学跡地の活用


移転後の北海道医療大学の施設を庁舎として活用できないか、という意見もありました。


町の回答


災害対応の観点から市街地と離れているデメリットがあるため、庁舎としての利用は検討対象外としています。



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