【勝手に分析】IKEA出店の費用対効果は悪くない、かも+6月16日の産業厚生
- 佐藤たつ

- 6月18日
- 読了時間: 11分

当別町議会の令和8年6月定例会。6月16日(火)に開催された産業厚生常任委員会の模様をご紹介します。道の駅で営業中のIKEAポップアップストアについて、勝手に費用対効果分析もしてみました。
道の駅IKEAポップアップストア【観光・経済】
北欧の風道の駅とうべつにオープンしたIKEAの限定ストアは大盛況。その一方で、警備費用や品質管理・防犯カメラなどの設備補強のために町の予算(指定管理料)が増額されました。なお、IKEAのポップアップストは、道の駅の指定管理者である株式会社tobeとIKEAがテナント出店の契約を交わして実施しているとのことです。
IKEAポップアップスト関係の費用は合計2,753万円に
項目 | 金額 | 備考 |
木製コンテナ型店舗(142.56㎡)と倉庫(66.50㎡)を交流広場の南側エリアに設置するためのリース料や設置工事費など | 1,506万円 | 令和7年度補正予算(第8号)でtobeへの指定管理料として増額 |
土日祝日の警備費用や、商品の適切な供給・防犯に必要な裏倉庫の簡易雨よけ屋根・防犯カメラ設置工事の費用 | 1,247万円 | 令和8年度補正予算(第1号)でobeへの指定管理料として増額 |
これまでの合計 | 2,753万円 |
5月20日にオープンしたストアは平日でも満車に近い大盛況で、道の駅の来場者数やテナントの売上も明らかに向上している。
指定管理料の増額(1247万3000円)は、土日祝日の警備費用や、商品の適切な供給・防犯に必要な裏倉庫の簡易雨よけ屋根・防犯カメラ設置工事の費用である。
町と指定管理者(tobe社)、IKEAの役割分担として、町は開催建物や安全な運営に必要な最低限の外側ハード設備を負担し、店内の照明などソフトな運営設備はIKEA側が負担する合意となっている。
11月中旬の期間終了後に具体的な費用対効果をしっかりと分析・検証する。
【勝手に分析】IKEA出店の費用対効果は悪くない、かも
ところで、費用対効果の分析ってどうするのでしょうね。勝手に妄想してみました。2,700万円以上の経費分は指定管理料増額で賄っているので、tobe単体では赤字にならないことは決まっています。あと、マスコミ報道などの広告宣伝効果を換算したら、簡単にプラスになるでしょう。でもそれではいったもん勝ちになってしまうのでもう少し厳密に考えてみます。
一応tobeの収支で考えると
IKEA出店関連費用を利益が上回るか。少し古いデータですが、tobeの粗利率は下表のとおり、42-43%です。
2022年度 | 2023年度 | |
売上高 | 279,153,038円 | 339,025,351円 |
売上総利益(粗利) | 117,421,904円 | 146,091,389円 |
売上総利益(粗利)率 | 42.1% | 43.1% |
2,753万円の粗利を得るには、tobeの売上高が約6,400万円増える必要があります。tobeの売上は直営店の売上とテナント(テイクアウト店舗と野菜直売)からの販売手数料などです。tobeの売上と道の駅全体の売上を比較すると、2023年度で道の駅の販売高合計4億6,311万円に対して、tobeの売上高が3億3,903万円。この比率で推計すると、道の駅全体では約8,700万円の売上増で2,753万円の粗利を確保できることになります。
IKEA効果で約19万人増で経費を賄える
これも2023年度ですが、道の駅の客単価は約463円。この客単価で計算すると来場者が約188,000人増えると達成できます。一方で、道の駅の近年の来場者推移は下表のとおり。ここ2年は毎年17-18万人来場者が増えています。
2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
約100万人 | 約117万人 | 約135万人 |
約17%増 | 約15%増 |
何もしなければ増加率が減っていきます。たとえばIKEAがなかったら2026年度の増加率は半分(7.5%)になったと仮定したら、10万人増の145万人。ここにIKEA効果を足して174万人。来場者がここまで増えれば大成功でしょう。
テイクアウトや野菜直売などの売上増も含めると約13万人増でクリア
上の計算はtobeの収支だけみていますが、実際にはテイクアウトや野菜直売などテナントの売上も増えます。IKEAの出店は町民の税金を使った事業なので、費用対効果はtobeの利益増だけでなく、テナントを含めた全体で考える方がより適切です。
テナントの利益率はわかりませんので、飲食40%、野菜直売20%と仮定してみます。またtobe直営の物販にも当別町内の事業者の商品が多くあります。ここの細かな状況はわかりませんので、物販の売上高の50%が町内事業者分で利益率は20%と仮定してみます。仮定の積み重ねなのはご容赦ください。
2023年度のデータにこの仮定を当てはめてみるとこうなります。
販売高 | 町内事業者の推定利益 | |
tobe直営物販 | 161,087,512 | 16,108,751 |
農産物直売所 | 91,390,065 | 18,278,013 |
飲食(テナント) | 57,044,285 | 22,817,714 |
合計 | 309,521,862 | 57,204,478 |
これを2023年度の来場者数でわると1人あたりの推定利益は約57円となります。少々計算が面倒くさいのですが、約130,000万人の来場者増で、ILEAの出店経費分の利益が町内にもたらされそうです。さらに道の駅以外の町内事業者の売上増もあると考えれば、ハードルはさらにさがります。
IKEAポップアップストアには何人入れるのか?
ところで、ILEAのポップアップストアは11月中旬までの約6か月間の期間限定です。営業日を180日なので、1日当たり722人のIKEA来店で13万人となります。1日の営業時間は9:00-17:00の8時間なので、1時間当たり90人。
現在ILEAは事前予約+当日予約です。これまた予約の定員数はわかりませんが、当日予約はどうやら30分ごとに35名=1時間70名(「【保存版】IKEA当別 完全ガイド(特製マップ&予約仕様付)」kitanote.jp)のようです。当日予約で1時間70名の枠があるということは、事前予約を含めれば1時間あたり90人は十分収容できそうですね。
つまり、費用対効果は悪くなさそう。
6月18日時点でできる事前予約はすべて埋まっていました。この勢いが続けば、ILEA効果で来場13万人増、出店費用2,753万円を超える利益は達成できるのでは。
来場者が19万人こえたら、収益納付してもよいのでは
株式会社tobe単体の試算では約19万人の来場者増でIKEA出店のための費用を上回る粗利増となります。これ以降は純粋な利益ということです。そしてその原資は町民の税金から指定管理料として支払われています。実態は、tobeが行うIKEAポップアップ事業への補助金と同じです。
さて、補助金には、収益納付という仕組みがあります。一般的な考え方は
収益納付額(補助金額が上限)=補助事業の純利益(収益-経費)-事業者の自己負担額
です。今回、tobeの自己負担額は私の知る限りありません。純利益はすべての費用を差し引いた額なので、粗利が2,753万円を超えたら純利益が発生していると考えられます。
収益納付はすべての補助金にあるわけではなく、今回の事例は指定管理料の増額として行っているので、「ご指摘は当たらない」といわれそうです。が、原資は町民の税金ですし、tobeも第3セクターとはいえ一民間企業です。自己負担0円、収益納付0円という補助金は相当有利な仕組みです。せめて、すべての経費をまかなえたあとくらいは収益納付してもらってもいいんじゃないでしょうか。
そもそもなんで指定管理料の増額にしたんでしょうね。指定管理は公の施設(≒公共施設)の管理を民間にさせるもの。道の駅自体は公の施設(これもやや怪しい気はしなくもないけれど)ですが、ILEAポップアップストア専用のコンテナハウスは公の施設?民間企業であるtobeへの補助金として支出したほうがよかったのではないかと思います。
さて、6月16日の産業厚生常任委員会に戻ります。
町内を巡るデジタルスタンプラリー【観光・経済】
道の駅やIKEAに集まった観光客を、町内の飲食店や観光施設へ案内し、お得に地域を回ってもらうためのイベント。
観光協会が主体となり、7月〜11月の約5ヶ月間で実施(予算79万5000円)。
観光協会会員の観光施設や飲食店(約30事業者予定)にQRコードを設置し、スタンプを集めて応募した人の中から抽選(または事業者の希望をヒアリングし、店頭受取など)でプレゼントを贈る仕組みを検討している。
道の駅周辺だけでなく、本町地区や西当別地区をそれぞれ複数箇所回ってもらうようなエリアごとのルール設定も計画中。
議員の指摘:当別町は広いため、車を走らせて「やっぱり遠いからいいや」と途中で諦められてしまわないような工夫が必要だと指摘。また、子連れの親などの視点から見ると、不確定な抽選にするよりも、「頑張ってすべて回ったら必ず何かがもらえる仕組み」のほうが参加意欲が高まるため、プレゼント方法を事業者と話し合って改善するよう提案があった。
みどりケ丘葬苑(火葬場)水道トラブルに伴う一時的な町外代替対応【身近な生活環境】
火葬場の給水管に不具合が発生したため、秋に修繕工事が行われます。
冬季の水道凍結を防止するための水抜き栓に不具合が見つかったため、385万円の修繕工事費を計上。
施工期間は約2ヶ月(秋予定)で、そのうち数週間は当別の火葬場を利用できなくなるため、これまでも利用実績がある江別市の火葬場を利用してもらう代替火葬で対応する。
築49年が経過し老朽化が進んでいるみどりケ丘葬苑の今後の長期的な方針について、現在決定しているものはないが、エアコン設置など年度ごとに必要な修繕を行いながら安心・安全な運営を継続していく。
高齢者のインフルエンザ予防接種助成拡大【医療・福祉】
75歳以上の高齢者の重症化を防ぐため、より効果が高い高用量ワクチンが新たに定期接種(公費助成対象)に追加され、自己負担が軽減されます。
令和8年度より、75歳以上の希望者を対象として、より高い予防効果を持つ高用量インフルエンザワクチンの接種を定期接種に追加するための費用(554万6000円の増額)を補正予算に計上。
高用量インフルエンザワクチンとは
高用量インフルエンザワクチンは、現状用いられている標準量インフルエンザワクチンの4倍の抗原を含み、より強い免疫応答を誘導するワクチン。
高齢者を対象として、高用量インフルエンザワクチンは標準量インフルエンザワクチンと比較して優れた免疫原性、インフルエンザに対する発症予防効果、入院予防効果が確認されている。
標準量インフルエンザワクチンと比較した相対的な有効性は、年齢が上がるほど高い傾向にあるとする報告がある
介護施設等への冷房設置補助【福祉】
夏の暑さから高齢者を守るため、町内の介護事業所に冷房(エアコン)を新しく設置する費用が一部補助されます。
国の補助金を活用した熱中症対策。
冷房を新たに設置する町内の介護事業所に対して補助金139万2000円(補助割合:国1/2、町1/4、事業所1/4)を支出するため予算を計上。
道路の劣化による車両破損事故の賠償と安全対策【インフラ整備】
道路の縁石の跳ね上がりや路面の穴によって、車が破損する事故が発生。
町は修理対応(賠償金の支払)を行うとともに、舗装改修を行います。
今年3月に発生した町道川下左岸線の歩道縁石の跳ね上がりによるマフラー損傷事故(賠償額約53.8万円)と、昨年10月の路面の穴によるタイヤ・ホイール損傷事故(約1.5万円)を、全国町村会の総合賠償補償保険を適用し和解(専決処分)。
毎月パトロール(職員・業者)を行っていたが、パトロール後に大型車両の通行などで短期的に損傷が進んでしまったもの。
縁石破損は冬の土壌の凍上が主な要因。速やかに修復しており、今年度中に該当路線に新しい舗装を重ねて平らにするオーバーレイ工事を実施して安全を確保する。
請願陳情
産業厚生常任委員会に付託された請願・陳情2件の審査が行われ、いずれも継続審査となりました。
誰でも議会に陳情をだすことができます。当別町議会では、議会事務局に書面で持参すれば、議会で審査されます。詳しくは当別町議会のWEBサイトをご覧ください。
【陳情審査】「有機農業(オーガニック)推進の町宣言」を求める陳情
当別町独自のブランド力を高める期待がある一方で、手間がかかる有機農業を急に進めることによる、実際の農家の負担や町全体の合意形成などを慎重に考える必要があるようです。多数意見により継続審査と決定。9月または12月の結論に向け、先進地である安平町などへの視察や勉強会の開催を調整中。
議員の主な意見
採択(推進すべき)の意見(桜井委員)
実際に有機への転換を希望して国の補助金を申請しようとしている農家も町内にいる。
子どもに安全な有機野菜を食べさせたいという親の気持ちも強く、当別のブランド力を上げるためにも進めるべきである。
慎重・継続(もっと議論すべき)の意見(芳形委員、佐々木委員、山﨑委員、山田委員、海野副委員長)
2つの特定団体だけの要望であり、本当に町民の総意と言えるか疑問。
周囲の農家に聞くと「いずれ取り組まざるを得ないが今は時期尚早だ」「低農薬にはすでに取り組んでいる」との声があり、JAなどの農業団体も巻き込むべき。
まずは説明会や勉強会を設け、町全体で有機に対する機運が盛り上がってから判断すべきであり、継続審査を求める。
【請願審査】消炎鎮痛剤や抗アレルギー薬の追加負担を行わないことを求める請願
国が日常的によく使う薬(アレルギー薬、湿布、痛み止めなど)について、窓口負担とは別に「追加負担(特別料金として薬剤費の25%等)」を求める方針を決めたことに対し、家計への打撃や受診控えが懸念されています。意見が4つの方向に分かれたため、とりまとめとして今回は一度継続審査として扱い、さらに情報を収集することに決定。
議員の主な意見
採択(国への意見書提出)の意見(芳形委員)
特別料金の別枠負担は全世代への実質的負担増で受診控えを招き、命に関わる。
対象薬の決定が国会の審議を通さず、厚生労働省(大臣)の判断だけで決められてしまう仕組みも問題である。
趣旨採択(要望の趣旨には賛成)の意見(佐々木委員、山﨑委員)
保険適用外の別枠負担増は問題があり、誤った類似薬の自己服用リスクなどもあるが、保険制度維持という国の見解も理解できる。
対象薬の基準を本当に同一効果のものに厳密に精査することを国に求める趣旨採択が望ましい。
慎重・継続の意見(桜井委員、山田委員)
実際に町民一人一人の負担がいくら増えるのか、国の動きや詳細な情報がまだ不透明。
すでに国会で可決成立した法案に対し地方議会としてどう審議をすべきかも含め、慎重に内容を精査するため継続審査とすべき。
不採択(反対)の意見(海の副委員長)
国で可決成立したものであり、所得への配慮等もこれから国で審議調整されるため不採択とすべき。


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