• 佐藤たつ

当別町長所信表明(2021年9月定例会)

2021年9月14日に開かれた当別町議会本会議で、8月2日に就任した後藤町長の所信表明が行われました。所信表明は、これから4年間の町政運営の基本方針を示すものです。




この所信表明に対する各会派からの代表質問が9月17日(金)に行われます。


1  はじめに


この度、町民の皆様からの多大なる信任をいただき、町政運営の重責を担うこととなりました。本日、本議会定例会の場で当別町長としての所信を申し述べる機会をいただき、感謝申し上げます。


初登庁から1か月以上経ち、この間役場内の各部局に対して、町の課題とその解決に向けた考え方や、現在進めている取り組みについてヒアリングを行いましたが、非常に多岐にわたって町民サービスの向上のために施策を進めていること、そして、課題解決に向けて具体的に工夫を凝らし事業を展開していることが理解できました。


前任の町長である宮司氏のまいた種を、役場職員が一丸となって大事に育てている姿を見て、改めて身が引き締まる思いになったところです。


私は、選挙の期間中、町の課題の克服に向けた6つの目標を定め、町民の皆様に、私の町政にあたる姿勢を説明してまいりました。


目標の1つ目についてですが、現在も一向に収束の気配を見せない「新型コロナウイルス」の感染拡大が続いておりますが、そういった中でも、アフターコロナを見据えた地域づくりを、今から進めるべきであるということを申し上げてまいりました。


今、飲食業や観光施設を営まれている方々は、休業することを余儀なくされ、また、こういった店舗を利用し、楽しまれていた町民の皆様が自由に食事に出かけることも儘ならない、そんな閉塞感が漂う雰囲気に町が覆われております。


当然、現在のコロナ禍における緊急の対策に取り組み、町としても早期収束に向け鋭意努めてまいりますが、この「新型コロナウイルス」の猛威が過ぎ去った後、再び活気があふれる町を復活させるために、コロナ禍で生まれた新生活スタイルも取り入れた、新しい当別町を模索していかなくてはなりません。


そのために、目標の2点目になりますが、今後、AI技術が浸透した生活スタイルに対応できる子どもたちを育成することに、力を注いでいかなくてはならないと思っております。


また、3つ目の目標になりますが、子どもだけではなく、今や町の活動の中心となっているといっても過言ではない高齢者の皆様が、人生100年時代の生活を安心して送れるよう寄り添った福祉を充実させることも、重要な目標であると思っております。


4点目の目標ですが、稼げる産業をしっかり育成していく必要があると考えております。収益性の高い農産物の生産促進農商工連携による新産業の創出、企業誘致による新たな分野の開拓など、従前からの取り組みをさらに加速させ、稼ぐまちの醸成に努めたいと思っております。


また、並行して、JR学園都市線の新駅「ロイズタウン駅」を含めた町内各駅周辺の開発にも注力し、産業面・生活面の両面で利便性を高め、「稼ぐこと」と「住みやすさ」を併せ持ったまちづくりを進めていくことが、重要であると考えております。


4点目までの目標を支える基盤になるものとして、5点目の目標になりますが、災害に強いまちづくりを目指すことも大変重要であります。


当別町の地形は、南北47kmの縦長で、2つの市街地間あるいは集落間に相当の距離があるといった特徴があり、災害時に全ての町民に情報を的確かつ迅速に届けることが難しい状況であります。


地震や風水害といった災害時の体制整備や、平時からの防災の取り組みは、今も、これからも、永遠の菫要課題であり、全ての町民の生命の安全を確保し、安心した生活が送れるようにすることを最菫要視し、ICT・デジタル技術を活用した解決施策を鋭意研究していく必要があると考えております。


また、雪害対策も必須の事項であります。昨シーズンの大雪の経験から、除排雪体制を見直す必要があり、このことは、町民の皆様の関心が高い案件でありますので、今後も体制の強化を図らなくてはなりません。


6点目の目標についてですが、今申し上げました各目標を達成するためには、やはり町の財政基盤の安定・強化、そして行政サービスの質の向上が基本になると思っております。これは、町の行政運営そのものであり、また、役場職員のさらなる資質向上を求めなければならないことであり、職員とともに、より良い行政サービスの構築に向けて、注力していかなくてはならないものと考えております。


6点にわたる、私が挑戦していく目標を申し上げましたが、その目標を達成するために、「4つのファースト」を掲げ、各施策を展開していこうと考えており、その内容について、述べさせていただきます。


2 基本姿勢・施策の展開


「チャイルド・ファースト」~住み良い環境づくり


まず、1点目の視点、「チャイルド・ファースト」について、申し上げます。


町の将来を託す「子どもたち」をしっかり育てていくこと、まさにこのことが何より重要であると考えております。


本年8月12日の議会臨時会の際にも申し上げましたが、今、町は、出生数の減少が大きく、年少人口は、年々少なくなってきております。


子どもを増やすには、どうするべきか。私はこれまでの議員活動の中で、町民の皆様の声を聴き、私なりに考えてまいりましたが、やはり、「子どもを産み育てることに不安がないこと」、「子どもが育っていく姿をイメージして、大きな期待を抱くことができること」、こういったことが重要なのではないかと考えております。


子育ての不安を払拭するためには、出産時のサポート、乳幼児期の医療環境や費用面の支援充実、幼児教育・保育の環境整備、そこからつながっていく一貫した義務教育環境の整備、そして高校・大学へ進学する際の支援体制の充実、といった成長に応じたきめ細かな対応策が重要であると思っております。


町はこれまでも、それぞれの方策を充実・強化してきており、学力の向上などの成果が表れてきていると認識しておりますが、これらをさらに一気に全て充実させていくことは、言うほど簡単なことではありません。


ただ、現在、町では一体型義務教育学校「とうくつ学園」の建設を進めており、来年4月の開校を予定しております。


私としても、まずは、このことを当別町の教育環境を大きく発展させるチャンスと捉え、地域の教育力を最大限に活かし、この機を逃さず、施策を進めていきたいと考えます。


具体的には、9年間の一貫した教育課程の早期定着と、GIGAスクール構想に基づいた各カリキュラムでのICTの積極活用を進めていくことを考えており、まずは、コロナ禍におけるリモート対応が求められておりますので、そこに注力してまいります。


私としては、一人一台用意したデジタル端末を活用して、児菫生徒の習熟度に応じた授業や支援をより深めていくことや、デジタルリテラシー(デジタルに関する知識や活用能力)を児童生徒が身につける取り組みなど、さらに高いレベルの教育環境を構築してまいりたいと考えています。


また、歴史兄弟都市である伊達市の児菫生徒との交流など、教育活動における姉妹都市交流の促進も進めていきたいと思います。


さらに、小中一員教育の魅力により、町外より子育て世帯が転入しやすくなるよう、一定の条件下での移住者に対するインセンティブ施策を導入してみたいと考えています。それに合わせて、近い将来を見定め、居住環境の整備、特に子育て向け町営住宅の整備や利便性の高い地域での宅地造成の促進に努めるとともに、地域公共交通の充実やスーパー・医療機関の誘致など、町の住みやすさを高め、移住を促す取り組みに注力してまいります。


「ハートフル・ファースト」~人と人との絆の醸成


次に、2点目の視点、「ハートフル・ファースト」についてです。


道の駅がオープンして4年が経ち、コロナ禍により人の呼び込みに制限がかかってしまったこともありましたが、トータルで見ると、当別町を訪れる人は、飛躍的に増加しております。


また、近年、町民有志や企業の努力により、花火大会やマラソン大会など新たなイベントが実施され、交流人口の増加につながっており、こういった好調な人の流れに乗り、定住につなげていくことが、人口減少が続く今の当別町にとって、何より重要なことと感じております。


人を呼び込む環境をさらに充実させるために、増加してきた「ふるさと納税」の寄附者や道の駅のリピーターなどを準住民として扱い、関係人口拡大策を展開していくことや、本町地区中心市街地を始め、ロイズタウン駅・道の駅・太美駅周辺のエリアをデジタル技術を活用して、人を呼び込むエリアとして発展させることに注力してまいります。


そして、当別町を訪れた方々をさらに定住者として呼び込んでいくためには、町民自らが当別町に住み続けたい魅力ある町にしていくことが重要であり、人と人との絆を深め、現在のコロナ禍や、今後のアフターコロナの社会の中で、個々人の健康増進と町内コミュニティのあり方を検証しつつ、町民同士の八一トフルな環境づくりを進めていかなくてはなりません。


また、町内の医療機関の今後についても、留意していかなくてはならないと思っており、閉院された病院・診療所を補完するために、医療・介護施設の誘致、在宅医療の推進といった施策を中心に展開しながら、これまで培ってきた「常に寄り添う福祉」を人生100年時代を見据えたものとして成熟させてまいります。


「クオリティ・ファースト」~新たな仕組みづくり


次に、3点目の視点、「クオリティ・ファースト」についてです。当別町が有する潜在能力や優位性を見極め、産業の質を高めるための仕組みを、再構築してまいります。


これまで堅調に進めてきた「農業10年ビジョン」も7年目を迎えており、目標生産額100億円の達成も見えてきているところですが、目標達成後の新たな目標設定についても考えていかなくてはならないものと認識しております。町、農業団体、そして各晨業者が一体となり、当別町の農業が目指すべき将来像を共有し、同じ方向を向いて取り組みを進めていけるよう議論を重ねていきたいと思います。


また、これまで町内では、農商工の連携や、2次・6次産業化の推進がなかなか進んでいないことから、町内経済団体はもとより町外企業も巻き込み、モデルになるような連携した取り組みを進めたいと考えております。


そのためには、まずは、道の駅での農産物の直売など、好調な部分はさらに伸ばしつつ、地域商社機能を有する株式会社tobeを牽引役として6次産業化を推進し、ブランド特産品開発をこれまで以上に進めてまいります。


加えて、町内産業の収益性をさらに高めていくためには、デジタル技術の導入が極めて重要であると思っており、先進企業や研究機関が持つノウハウを施策に活かすための連携を進め、スマート晨業をはじめとし、データ活用による生産性の向上も意識して、施策を

展開してまいります。


さらに、再生可能エネルギー分野においても、木質バイオマスの推進の要となる林業の再生を図りつつ、ゼロカーボンを見据えたエネルギー循環型地域社会の構築を推進してまいります。


「デジタル・ファースト」~システムの構築


次に、4点目の視点、「デジタル・ファースト」についてです。これまで申し上げました目標や視点を高い次元で実現させていくためには、デジタル化が重要になるものと考えております。


特に、「チャイルド・ファースト」で申し上げた学校教育における「GIGAスクール」環境の最大活用、「クオリティ・ファースト」で申し上げた「スマート農業・林業」の推進など、個別具体の施策を進めるためには、その基盤として、デジタルシフトを図っていかなくてはなりません。


また、防災・減災・災害時生活支援のためのシステム化を進める必要があります。町民の生命を守っていくためのデジタル化は極めて重要であり、災害時に迅速に情報を伝達できる手段などをデジタル技術を活用して構築できないものかを鋭意研究してまいります。


さらに、町民生活を支える行政システムにおいても、「DX・デジタルトランスフォーメーション」を進め、住民サービスの向上に努めていくことも重要であると認識しており、町を総合的に発展させていくためにも必要なデジタル技術を的確に取り入れていきたいと考えております。


今月初めに、国は「デジタル庁」を設置し、今後、行政上の各種申請・交付の手続きもデジタル技術の導入によって大きく変わっていくことになり、デジタルによる次の時代の自治行政のあり方を我々もしっかり考えていかなくてはならないと思っております。


役場内部においては、AI-OCR(オプティカル・キャラクター・リーダー、手書き帳票類のデジタル認識においてAI技術を活用して読み取り精度を高めた機能)や、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、ソフトウェアロボットによる業務の自動化)の技術を積極的に導入し、役場業務の効率化、ひいては、行政コストの削減を図っていく必要がありますし、このような取り組みを町民の行政手続きの簡素化や、役場職員の働き方改革につなげ

ていきたいと思います。


また、町民の利便性が向上する行政サービスを構築していくためには、マイナンバーカードの普及拡大が不可欠であり、町民の皆様にマイナンバーカードを積極的に取得してもらうとともに、高齢者にとっても分かりやすく利用しやすいデジタルサービスの提供に尽力したいと考えております。


いずれにいたしましても、今後、地域のデジタル化に向けては、町内外問わず、様々な企業・団体と連携することはもちろんのこと、最終的には、町内の企業・団体や町内会などに浸透させることが重要であると考えますので、このことを念頭に取り組みを進めてまいります。


3 おわりに


以上、町長就任にあたりまして、私の所信を述べさせていただきました。


前任の町長である宮司氏の8年間で、町の意識は大きく変わったと思っております。2度にわたる地方創生の総合戦略を策定し、町が向かう方向性を具体的に指し示していただき、人口減少の克服に向けて現在も複数のプロジェクトが進行中です。


この動きを加速させるべく、特に、役場庁舎の早急な建て替え、JR学園都市線の新駅「ロイズタウン駅」周辺の環境整備、住宅ディベロッパー誘致、町内除排雪体制の再構築、町営住宅をはじめとした公共施設の再編整備など、多岐にわたる施策の実現に向けて着実に進めてまいります。


また、先ほどまで申し上げた中で「デジタル化」について、繰り返し触れさせていただきました。これは、すべての施策の推進に通じるものであり、町が有する環境や技術的な問題で八一ドルは高いものも多いと認識しておりますが、持続可能な笑顔あふれる未来づくりに積極果敢に挑戦してまいりたいと思います。


これからの4年間、町の総合計画・総合戦略が掲げた施策を十二分に踏まえながら、町職員とともに、町が抱える課題に正面から向き合い、全力で町政執行に取り組んでまいります。


議会議員の皆様をはじめ、町民の皆様のご理解・ご支援・ご協力を切にお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

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